エステ・サービス業
1.問題となる条項
事業者が使用する契約書には、以下の記載がありました。
① 単価 30,800
② 回数 12回
③ 料金 184,800
④ 本コースは6回までが有料で、7回目以降は無料でお手入れを行います。7回目以降は無料でのお手入れの為、解約時の返金対象とはなりません。
2.問題点
上記条項④によれば、12回コースのうち7回目から12回目は無料ということになります。しかし、1回目から12回目の施術が同じ内容であれば、7回目以降を無料にすることに合理性はないし、かえって、7回目以降に中途解約がなされた際に返金しないために無料としている可能性があります。この場合、特定商取引法第49条第7項に該当する可能性があります。
そこで、2021年(令和3年)12月14日、事業者に対し、①1〜6回目と7〜12回目の施術内容、②1〜6回目の施術内容と7〜12回目の施術内容の異同、③7〜12回目の料金が無料である理由、④消費者が7〜12回目に中途解約した場合の返還の計算方法について質問する文書を送付しました。
3.成果・経過等
2022年(令和4年)1月4日、事業者より、以下の回答がなされました。
(1)今回は担当者の記載ミスであること。
(2)通常12回コースの場合、料金総額を12回で分割するため、1年12回コース184,800円の契約は、単価15,400円、回数12回となること。
(3)7回目に解約をした場合、施術していない分は返金すること。
2022年(令和4年)3月10日、事業者に対し、今後の再発防止等の観点から、以下の内容の合意書を取り交わすことを提案した。
① 消費者との間で、契約を締結するに際して、同一の施術内容については、役務の対価に差を設けないこと。ただし、役務の対価に差を設ける事に合理性がある場合はのぞく。
② 遵守事項に違反する内容が記載された文書を破棄する。
③ 役員及び従業員に対し、遵守事項を遵守するよう、適切な指導、研修を行う。
④ 2022年(令和4年)7月27日、合意書を取り交わし、申入れを終了した。
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